お別れ会は故人を偲ぶという点では葬儀と似通っていますが、宗教色が少なく、儀式の内容や参列者の範囲などが葬儀とはかなり異なります。そのため、開催時期や場所について悩む人も少なくありません。
この記事では、お別れ会とはどのような趣旨のものか、開催する時期や会場などをどうやって決めればよいのかについて見ていきます。
お別れ会はどんな内容?
葬儀とは別に行われるお別れ会は、葬儀に参列できなかった人が故人とお別れをするために開催されるものです。従って、一般的な通夜や葬儀を行った場合には、別途お別れ会を開催するケースはほとんどありません。
葬儀を家族だけで行った場合や著名人が亡くなってファンがお別れをしたいと希望する場合、会社で功績をあげた人が亡くなって社葬を行う場合などにお別れ会を開催します。葬儀とは異なり、宗教や宗派の作法に縛られることなく、主催者が進行内容や会場のセッティング、演出などを自由に決めることになります。
例えば、音楽家の故人にちなんで演奏をしたり、会社での業績を紹介したり、動画やスライドで故人の人生を振り返ったりとお別れ会によってその内容は様々です。
式の進行も特に決まっておらず、家族葬を終えた後で知人や友人のみを招いて食事をふるまうケースもあれば、いつ、誰でも自由に参列できて、焼香や献花のみで帰るケースもあります。どのようなお別れ会をするのかによって、開催時間や会場の候補を挙げていくと良いでしょう。
お別れ会の時期の決め方
お別れ会を開催する時期は、法要とは異なり、特に決まってはいません。しかし、基本的には遺族もお別れ会に参列しますので、本来の葬儀や法要と重複せず、遺族にある程度余裕が出てくるタイミングを検討した方が良いでしょう。
一般的には、葬儀や納骨、四十九日の法要の時期を避ける必要がありますが、故人が亡くなってからあまりにも時間が経ちすぎるのも望ましくありません。そのため、葬儀を終えてから1カ月程度の期間に行うことが多いです。
ただし、遺族や招待予定の人が多忙な時期と重なってしまうと、かえって迷惑になりかねません。葬儀から1カ月前後で参列予定者のスケジュールを確認し、予定が合わない場合には四十九日を過ぎてから開催しても良いでしょう。
必ずこの時期に開催しなければならないというものではありませんので、参列者の都合や準備期間などをふまえて、臨機応変に開催時期を決めるのがおすすめです。
開催場所の決め方
葬儀は寺院や葬儀会場で行われますが、お別れ会では会場も比較的自由に選ぶことができます。もちろん、葬儀会場を利用することもできますが、食事の用意がしやすく、立地や会場の広さなどの条件を満たしているホテルのセレモニーホールやレストランを貸し切りにして開催することもありますし、社葬の場合は自社内のホールで行うこともあります。
ただし、どのホテルもお別れ会に対応しているわけではありません。結婚式のプランはあっても、お別れ会では利用できないところもありますので、前もって問い合わせておいた方が良いでしょう。
また、ホテルでお別れ会を開催するようになってから日が浅いこともあり、希望する演出を取り入れることができなかったり、スタッフが式の進行に慣れていなかったりすることがあります。会場を押さえてからも、ホテル側のスタッフと当日の進行についてしっかり打ち合わせをした方が良いでしょう。
お別れ会の日程や会場は比較的自由に決められる
このように、お別れ会は葬儀のように日程や会場について厳しい制約があるわけではありませんので、遺族の予定などを考慮して準備すれば良いでしょう。
とはいえ、参列者が多くなりがちですので、準備は早めにしておいた方が安心です。日程調整や会場探しが大変な場合には、お別れ会のサポートが可能な葬儀社に相談するのも良いでしょう。