故人を偲ぶお別れ会は、この日に開催しなければいけないという決まりはありません。遺族が良いと思う日を、開催日にする事が可能です。そのため、死後数週間から数カ月後に開催することもあれば、一周忌や七回忌のときに開催することもあります。今回の記事では、四十九日の前後にお別れ会を開催したらという想定で、考えられるメリットを紹介していきます。
気持ちの整理がついている
訃報を聞いた直後だと、遺族は無論のこと友人・知人も深い悲しみを感じていることでしょう。そのような時期にお別れ会を開催するとしても、心の整理がついておらず故人とのお別れができない人も中にはいるはずです。
四十九日の前後であれば、悲しみが完全に消えるほどではありませんが、ある程度は心の整理がついている時期です。故人との思い出話や今後のことなどを、話せるようになっているでしょうから、お別れ会を滞りなく進めることができます。
悲しみに区切りをつけられる
仏教では、人が亡くなってから四十九日で魂の行き先が決まると言われています。四十九日の前後にお別れ会を開催すれば、まだ現世とつながっている故人の魂も来てもらいやすいでしょう。故人の魂がお別れ会に来ていると思えば、参列者も心からの感謝や哀悼の気持ちを口に出せます。そうして心の中にある気持ちをすべて出して、故人の死に区切りをつけたら、参列者は日常に戻ることができます。
また、お別れ会を開催する遺族にとっても、お別れ会を区切りにできます。四十九日法要で納骨をし、お別れ会も同時期にやれば、故人に関するイベントは一段落です。あとは残された人たちで新たな生活を始めることができるでしょう。
集まりやすい
亡くなった直後にお別れ会を開催するとなれば、急なことで仕事や学校を休めないと欠席する人が続出することになるでしょう。その点、四十九日の前後に開催することを事前に予告していれば、日程の調整がしやすくなります。それだけの猶予があれば、葬儀のときには連絡が取れなかった人にもお別れ会の開催日を知らせることが可能です。
また、四十九日法要のあとにお別れ会を開催することで、参列者が何度も集まる必要がなくなります。休暇を取りにくい仕事に就いている人は、一度の休暇でどちらにも参列できるので負担が大幅に軽くなるでしょう。
葬儀に参列できなかった人の気持ちを和らげることができる
故人と親しくしていた人でも、家族葬など小規模の葬儀であれば参列をお断りすることが珍しくありません。しかし、参列を断った人の中には、故人と最後のお別れができなかったことに不満を感じる人もでてきます。そういった人のためにお別れ会を開催するのであれば、葬儀とお別れ会の開催日をあまり空けない方が良いでしょう。
葬儀から何年も経過してからお別れ会を開催するとなれば、不満が大きくなって参列したくないと考える人も出てきます。そのことが尾を引いて、大きなトラブルとなる可能性も否定できません。四十九日前後であれば、それほど月日が経っていないので、葬儀に参列できなかった人の不満も和らぎ参列してくれることでしょう。