ライフヒストリーという言葉を耳にしたことはあっても、具体的な意味についてはよくわからない人も多いのではないでしょうか。
ライフヒストリーは、葬儀やお別れ会などの場でよく使われるようになってきた言葉です。今回は、ライフヒストリーの基本的な意味を解説し、そのうえで製作する際に押さえておきたいポイントやコツなどを紹介していきます。
ライフヒストリーとは?
ライフヒストリー(LIFE HISTORY)とは、一般的に生活史や個人史といった意味に訳されます。本来は、記録や記憶をもとに人間の一生を資料として形にすることを指した言葉で、文化人類学における学術用語として使われてきました。
しかし、葬儀やお別れ会のような故人をしのぶ場においてもライフヒストリーという言葉が用いられるようになってきています。
人が亡くなったとき、その人の生前の思い出や取り組みなど資料として形にし、参列者がみんなで共有して追悼することが増えています。ライフヒストリーという言葉が葬儀などでも使われるようになってきたのは、それが理由です。
ライフヒストリーの製作ポイント
ライフヒストリーは、遺族や友人など故人に近しい人達がお互いの記憶をもとに協力し合って製作する場合もあれば、故人本人が生前用意しておくケースもあります。
また、ライフヒストリーを専門に手がける製作会社も見られます。遺族などが製作するにしても製作会社に委託するにしても、故人が生前どのような人物であったかが誰にもわかるようなものでなければなりません。
まずやっておきたいのは、生前の故人をよく知っている人達で話し合い、どのような方向性で製作するか目的を決めることです。故人が成し遂げた仕事についての記録を残すのか、それとも、プライベートな部分にスポットを当てて製作するのかで内容は変わってきます。
仕事の記録として残すのであれば、年代別に実績がわかるように年表などを用いるのも良いでしょう。
プライベートを中心にするなら、生前故人が好きだった音楽を流したり趣味にちなんだ装飾をしたりするのも良いアイデアです。本人のコレクションを並べるという方法もあります。
また、参列者がそれぞれ故人の思い出に浸れるよう、ライフヒストリーを要約した冊子などを用意するのも良いかもしれません。
ライフヒストリーは故人をしのぶための作業
交流があった人でも、誰もが生前の故人について深く知っているとは限りません。亡くなってから、知らなかった部分や意外な顔に気付くこともあります。
ライフヒストリーを製作することで、故人の人柄や生前力を注いできたことなどを葬儀やお別れ会の参列者に知ってもらうことができます。ライフヒストリーは、まず目的を決め、様々な人の記憶や記録をもとに製作することがポイントです。