家族や近親者のみで行う家族葬の増加など、近年では葬儀の形式も多様化しています。そんな中、葬儀とは別に、故人と関わりのあった方々を招いて「お別れ会」を執り行う方も増えています。お別れ会は、一般的な葬儀のように宗教的儀礼による制約が無く、自由な形式で行われます。そのため「お別れ会に参会する際は、どんな服装を選べば良いの?」と迷われている方も多いのではないでしょうか。この記事では、お別れ会に関する基本知識を始め、お別れ会に参会する際の服装についてご紹介していきます。

①お別れ会とは?お葬式との違いについて

まず始めに、お別れ会とはどのような会を指すのか、お別れ会の目的や一般的な葬儀との違いについてご紹介していきます。

「お別れ会」とは、家族や近親者のみで「家族葬」を行った後などに、改めて故人がお世話になった方や関わりのあった方々を招き、故人を偲ぶための会です。お別れ会の他「偲ぶ会」と呼ばれることもあります。

葬儀と同様、生前故人と関わりのあった方々と故人を偲ぶ場であるのと同時に、遺族や身近な方が「これからもよろしくお願いします」という気持ちを伝える場でもあります。お別れ会の形式については、明確な定義があるわけではありません。進行や演出は主催者が自由に決めることができ、遺族を始め、親しい友人や知人が中心となって催す場合もあります。会場についても、セレモニーホールや葬儀場などの宗教施設に限らず、ホテルやレストラン、故人とご縁のあった場所などが選ばれることもあります。一般的な葬儀は宗教的な意味合いが強いのに対して、お別れ会は「社会的な意味合いが強い」という部分が特徴です。お別れ会の形式については、次の項目で詳しくご紹介しています。

②お別れ会の形式について

一口にお別れ会と言っても、その形式はさまざまです。一般的には「セレモニー形式」「会食パーティー形式」「混合形式」の3種類に分けられます。ここでは、それぞれの特徴についてご紹介していきます。

(1)セレモニー形式のお別れ会と服装について

セレモニー形式のお別れ会は、一般的な葬儀の「告別式」に近い形式となります。無宗教式も含めて、宗教儀礼が伴うのが特徴です。会場はセレモニーホールや葬儀場などが選ばれることが多く、服装も告別式と同様に喪服や礼服を指定されることが多くなります。

(2)会食パーティー形式のお別れ会と服装について

会食パーティー形式のお別れ会は、会費制のパーティー形式で行われます。食事は立食のビュッフェスタイルが一般的です。宗教儀礼はなく、会食中の途中退場や献花だけでも参加可能なのが特徴です。会場はホテルや宴会場などが選ばれることが多く、服装もややカジュアルな平服を指定されるケースが多くあります。

(3)混合形式のお別れ会と服装について

セレモニー形式と会食パーティーを合わせたスタイルが「混合形式」です。告別式と献花を行った後に会食パーティーを行います。多くの場合、宗教儀礼と会食とで会場を分けて行われます。会場はセレモニー形式の場合と同様に、セレモニーホールや葬儀場などが選ばれます。服装は告別式と同様に喪服や礼服を指定されることが多くなります。

③お別れ会には何を着て行く?お別れ会での服装マナーについて

お別れ会に参列する際の服装は、案内状に記載の内容に従います。前述のとおり、一口にお別れ会と言ってもさまざまな形式があり、会場もさまざまです。会場の雰囲気やドレスコードに従った服装を選ぶのが基本マナーとなります。

案内状に「喪服でお越しください」と記載されている場合は喪服、「平服でお越しください」とある場合は、喪服や礼服ではなく平服を着ていきましょう。ただし、平服と言ってもスウェットやデニムなど、カジュアル過ぎる服装、または派手過ぎる服装はマナー違反にあたります。お別れ会に参会する際の「平服」については後の項目で詳しくご紹介していきます。

また、案内状に服装についての記載がない時は、多くの場合葬儀と同様に喪服や礼服で問題ありません。ただし会場によっては好ましくないとされる場合もあります。何を着て行けば良いのか迷う時は、事前に主催者に確認しておくと安心です。

④お別れ会に参会する際の「平服」について

お別れ会の案内状に「平服でお越しください」と記載されている場合、具体的にはどんな服装を選べば良いのでしょうか。以下では男性、女性、子どもの場合、それぞれについて解説していきます。

(1)お別れ会に参会する際の「男性の平服」について

男性の場合は、黒、ネイビー、グレーなどのダークスーツと白系のシャツに、黒以外のネクタイを合わせると良いでしょう。白系のシャツの中でも、ボタンダウンシャツはカジュアルな印象が強く避けた方が無難です。バッグや靴、ベルトなどの小物類も、スーツと同様にベーシックカラーの落ち着いた色、デザインのものを選びましょう。装身品である「ネクタイピン」や「ポケットチーフ」は、お別れの会では身に付けないようにしましょう。

(2)お別れ会に参会する際の「女性の平服」について

女性の場合は、黒、ネイビー、グレーなどの落ち着いた色味のスーツやワンピースを選ぶと良いでしょう。光沢のある生地など、華やかすぎる印象の素材は避けましょう。バッグや靴などの小物類も服と同様ベーシックカラーの落ち着いた色、デザインのものを合わせます。また、輝きの強いアクセサリーや大ぶりデザインのアクセサリーは控えましょう。

(3)お別れ会に参会する際の「子どもの平服」について

子どもの場合、通っている学校に制服がある場合は制服を着ていきます。制服は正式な服装にあたるので、赤や緑などのカラーが入っていても問題ありません。制服がない場合は、黒、ネイビー、グレーなどの落ち着いた色味のボトムに、白のシャツ、ブラウス、ポロシャツなどを合わせたスタイルが好ましいでしょう。

【まとめ】

新しいお別れの形として広まりつつあるお別れ会。葬儀に比べて自由な形式で執り行われるのが一般的ですが、参会する際は主催者や他の参会者の方に失礼のないよう、基本マナーをしっかり頭に入れておきましょう。

監修者

記事監修者

株式会社キノヤマ代表の山上 芳範。
キノヤマでは、故人をお見送りするのに相応しい、さまざまなプラン・スタイルのお別れ会やセレモニーをご提案。心に遺るお葬式となるよう、全力でフルサポートいたします。